「分詞構文」と聞くと、「苦手だなぁ」と感じる人も多いのではないでしょうか。
そもそも、「分詞」ってなんだったかな?という人もいるかも。
この記事では、まず簡単に「分詞」がどういうものだったかを確認した後、分詞構文をできるだけ分かりやすく解説したいと思います。
そもそも分詞とは
分詞には、現在分詞と過去分詞の2つがあります。
分詞というのは、動詞が形を変えて形容詞や副詞として仕事をしているものです。
分詞 = もともとは動詞だけど、形を変えて形容詞や副詞として仕事をしているもの。
分詞とは何か、現在分詞と過去分詞はどんな形をしているのかについて確認したい場合はこちら!
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分詞構文ってなに?
では、さっそく分詞構文って何なのか見てみましょう!
次の2つは分詞構文を使った例文です。
- He was watching TV, eating donuts.
彼はドーナツを食べながら、TVを観ていた。 - Written in English, this book is difficult for me.
英語で書かれているので、この本は私には難しい。
- の文を見てみましょう。
「eating donuts」という句は「eat(食べる)」の現在分詞「eating」から始まっています。
そしてこの分詞から始まっている固まり(句)が、「ドーナツを食べながら」という意味で、前にある主文を説明(修飾)しています。 - の文を見てみましょう。
「Written in English」という句は「write(書く)」の過去分詞「written」から始まっています。
そしてこの分詞から始まっている固まり(句)が、「英語で書かれているので」という意味で、後に続く主文を説明(修飾)しています。
このように、「分詞」か「分詞から始まっている固まり(句)」が、主文の前や後ろに置かれて、主文を修飾する表現が「分詞構文」です。
分詞構文 =「分詞」か「分詞から始まっている固まり(句)」が、主文の前や後ろに置かれて、主文を修飾する表現
分詞構文の訳し方
でも、まだよく分からない…
どうやって訳すの?
分詞構文は幅広い意味で訳せるけど、とりあえず次の6つを覚えてごらん。
- 時(~している時に)
- 付帯状況(~しながら)
- 動作の連続(~して/そして~)
- 原因・理由(~ので)
- 条件(~なら)
- 譲歩(~けど)
6つも覚えるのムリ~…
言うと思った~(笑)
それに、大切な3つのポイントを押さえないと、正しい訳は出来ないと思う。
- 主文(完全な文の方)と分詞構文の主語は同じ。
- 現在分詞 or 過去分詞 どちらなのかに注目し、「する・している」or「される・されている」をはっきりさせる。
- 分詞(or 分詞から始まる句)の内容が、主文と「同時」か「連続」の出来事であることを踏まえ、文脈にあった適当な訳にする。
全然わからん!!
だいじょうぶ。
この3つのポイントを1つずつ説明するね!
分詞構文の意味上の主語
分詞構文では、分詞の主語にあたる単語が書かれていません。
でも、意味上では、主文の主語が分詞構文の主語なんです。
先ほどの例文をもう一度見て確認してみましょう!
- He was watching TV, eating donuts.
この例文を、主文と分詞に分けて詳しく見てみると、次のとおりです。
【主文】He was watching TV
(彼はテレビを観ていた)
↓
主語は「he」
【分詞】 eating donuts
(ドーナツを食べながら)※1
↓
意味上の主語は「he」
※1 「as he eats donuts」と書き換え可能。 - Written in English, this book is difficult for me.
この例文を、主文と分詞に分けて詳しく見てみると、次のとおりです。
【主文】this book is difficult for you
(この本は私には難しい)
↓
主語は「this book」
【分詞】Written in English
(英語で書かれているので)※2
↓
意味上の主語は「this book」
※2 「because this book is written in English」と書き換え可能。
ほんとだ!「分詞の意味上の主語」と「 主文の主語」は同じだね!
分詞構文の意味上の主語 = 主文の主語
「現在分詞」か「過去分詞」かの違い
先ほど、分詞構文において、分詞の意味上の主語は、主文の主語だと説明しました。
そして、それと同じくらい重要なのが、現在分詞、過去分詞のどちらが使われているかによって、「動作主が誰なのか」が変わるということです。
もう少し簡単に言ってよぅ
つまり、
「現在分詞」の分詞構文なら、主語が「する、している」
「過去分詞」の分詞構文なら、主語が「される、されている」
という意味を訳に入れるってことだよ。
「現在分詞」の分詞構文なら、主語が「する、している」
「過去分詞」の分詞構文なら、主語が「される、されている」
という意味を訳に入れる。
★ 現在分詞を使った分詞構文
Lisa left for the station, waving his hands.
手を振りながら、リサは駅に向かいました
★ 過去分詞を使った分詞構文
Respected by many students, he is the most popular teacher in this school.
多くの生徒から尊敬され、この学校で一番人気のある先生です。
分詞構文のイメージ
先ほど、ポイントの3つめに「同時性」「連続性」という言葉がありました。
すごく面倒くさい説明が始まりそうですよね(笑)
大丈夫です。簡単に言うと、
「だいたいこんなイメージを持ってね!」
ということなんです。
分詞構文を作ったり訳したりするときに役立つ、2つのイメージを見てみましょう。
「ふ~ん、こんなイメージね!」って思えればOK!
まず、分詞構文では、分詞(or 分詞から始まる句)と主文の表わす事象が、同時 もしくは 連続で起こっていると考えましょう。
同時性
「映画をみる」とういう動作と「泣く」という動作のイラストがあります。
この2つの動作を、同時に行う場合、どんな表現が考えられるでしょうか。
例文で見てみましょう!
①時(~している時に)
He suddenly started to cry, watching a movie.
彼は映画を観ている時に急に泣き出した。
②付帯状況(~しながら)
He was crying, watching a movie.
彼は映画を観ながら泣いていた。
連続性
今度は、「走る」という動作と「電車に乗る・間に合う」という動作があります。
この2つの動作を、連続して行う場合、どんな表現が考えられるでしょうか。
③動作の連続(~して/そして~)
Running to the station, he got on a train.
彼は駅まで走って行き、電車に乗った。
④原因・理由(~ので)
Running to the station, he made it to a train.
駅まで走っていったので、彼は電車に間に合った。
⑤条件(~なら)
Running to the station, he will make it to a train.
駅まで走れば、彼は電車に間に合うでしょう。
もし、先ほどの右のイラストが「電車に乗り遅れる」という内容であったら、次のような表現も考えられます。
⑥譲歩(~けど)
Running to the station, he couldn’t catch a train.
駅まで走って行ったけど、彼は電車に乗れなかった。
※ 分詞構文の訳し方は、話の前後の流れで決めたらよいので、ここで紹介した以外の訳も考えられます。
以上の6つが分詞構文で表現できる代表的なものです。
分詞(or 分詞から始まる句)の表わす内容が、主文と「同時」か「連続」の出来事であるというイメージで、文脈にあった適当な訳にする。
なんとなく、合う意味にすればいいってこと?
それなら僕にもできるかなぁ~。
できるできる!
練習してみ~!
分詞構文の位置
分詞構文が出てきたら
ちゃんと気付けるかなぁ…。
だいたいの場合、次のような感じで出てくるよ!
この形の文章があったら、ピンとくるようにしようね。
分詞(or 分詞から始まる固まり)は、主文の前にきたり、後ろにきたりします。
分詞(or 分詞から始まる固まり)と主文の間には「,(コンマ)」を置くことが多いです。
コンマが置かれないこともあるし、分詞が主文の中に挟まれたりもするし、例外はあります!
★ 【分詞 , 主文】の順
Respected by his students, his English classes are very popular at school.
生徒たちから尊敬されているので、彼の英語の授業は学校でとても人気があります。
★ 【主文 , 分詞】の順
Lisa left for the station, waving his hands.
手を振りながら、リサは駅に向かいました。
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分詞構文の基本を学んだら、ぜひチェックしてみて下さい。
まとめ
分詞構文は、「どんな風にでも訳せる」という性質が、余計に難しく感じる文法だと思います。
一方で、押さえるべき基本は意外と少ないので、一度、分詞構文のイメージを理解できれば、得意に感じる日も近いかも!
分詞構文を極めるには、次の3つも学ぶ必要があります。
- 分詞構文を使った慣用表現
- 完了形を使う分詞構文
- 独立分詞構文
どれも、難しく感じるかもしれませんが、この記事で紹介した基本が分かっていれば、そんなに大変ではないと思います。