「動詞の目的語に、不定詞(to do)と動名詞(doing)のどちらがくるのか」は、英語学習者にとって重要であり、同時に厄介なテーマです。
※ 不定詞 = to不定詞
第3文型「S V O」のO(目的語)には名詞が入ります。
Oのところには、いわゆる “名詞” のかわりに、名詞と同じ役割をになえる「to do(不定詞の名詞的用法)」と「doing (動名詞)」が入ることもあります。
このとき悩ましいのは、動詞によってOに「to do」しかとらなかったり、「doing」しかとらなかったり、どちらもとるけど違う意味になったりすることがあるんです〜(泣)
不定詞と動名詞の使い分けを、語呂合わせ で学習するのも良いですが、それだけでは動詞の数も理解の深さも入試対策として万全とは言えません。
そこでこの記事では、「動詞の性格こそが目的語の使い分け (不定詞か動名詞か) に影響している」ということを解説します!
この内容を理解したうえで、問題や例文に慣れるのが効率的な学習方法だと思います。
ひとつひとつの例文に納得しながら、さっそく学習を進めていきましょう!
- 動詞によって、SVO のO (目的語) に、不定詞しかとらない or 動名詞しかとらないものがある
- 目的語に不定詞、動名詞どちらをとるかは、動詞の性格に影響を受けている
- 不定詞のイメージは「未来」、動名詞のイメージは「過去・今」だと考えるのがコツ
- 語呂合わせと動詞の性格 、両方の切り口から学習するのがオススメ!
動詞と例文をすぐに見たい人はココ!
目的語に不定詞をとる動詞
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① 願望を表す系
- want to do
〜したい - hope to do
〜したいと望む - wish to do
〜することを願う - desire to do
〜することを強く願う - expect to do
〜することを予期・期待している
② 決心や意図を表す系
- intend to do
〜するつもり(意図)である - decide to do
〜することを決心する - agree to do
〜することに同意する - promise to do
〜することを約束する - plan to do
〜する予定である
③ 拒否を表す系
- refuse to do
〜することをきっぱり断る - decline to do
〜を丁寧にお断りする - reject to do
〜することを却下・拒絶する
④ 努力や挑戦を表す系
- try to do
〜してみる - attempt to do
〜することを試みる - learn to do
〜することを学ぶ - mean to do
わざと〜する - pretend to do
〜するふりをする - manage to do
なんとか〜する
⑤ 変化・結果を表す系
- come to do
〜するようになる - get to do
〜する機会を得る - happen to do
偶然〜する - fail to do
〜しそこなう・するのに失敗する
⑥ 印象や推量を表す系
- seem to do
〜するようだ・らしい - appear to do
〜するように見える
⑦ その他
目的語に動名詞をとる動詞
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① やめる系
- stop doing
~することを止める - quit doing
~することを止める - finish doing
〜することを終える - give up doing
~することを諦める
② 避ける・逃す系
- avoid doing
~することを避ける - escape doing
〜することから逃れる - miss doing
〜する機会を逃す(のがす)
③ 延期する系
- put off doing
〜するのを延期する - postpone doing
〜するのを延期する
④ 否定・認める系
- deny doing
~していること(であること)を否定する - admit doing
~していること(であること)を認める
⑤ 継続中・反復中の動作を表す系
- consider doing
~することを熟考する - imagine doing
~することを想像する - mind doing
~することを気にする, 迷惑がる - appreciate doing
〜することに感謝する - practice doing
~する練習をする
⑥ その他
- suggest doing
〜することを提案する
まずは不定詞と動名詞のイメージをおさえよう!
「動詞の性格」の解説を読む前に、「不定詞のイメージ」と「動名詞のイメージ」 をおさえておくと、理解がとってもスムーズになります!
不定詞のイメージ = 未来を向いている
不定詞の時間的イメージは「未来」です。
もっと言えば「未来にすること / するかもしれないこと」という感じです。
■ 不定詞のイメージ
- 未来 にする(かもしれない)ことに向かって矢印が伸びている
- 未来 に意識が向いている
「to」という助動詞はもともと、矢印のイメージを持っているよね!
動名詞のイメージ = 過去〜今にすでにしている
動名詞の時間的イメージは「過去 / 過去から今 / 今」です。
まだやっていない未来のことではなく、「過去 / 過去から今 / 今にすでにしていること(決まっていること)」という感じです。
■ 動名詞のイメージ
- 過去 にすでにしていること
- 過去 から 今 にかけてしていること
- 今 まさにしていること
動名詞の形は、「動詞の原形 + ing」だよね。
現在進行形の「〜ing」と同じ形ということから、「すでにしている / しているところ」という意味を連想したらいいかも!
ちょっと休憩
不定詞と動名詞のイメージはバッチリ!
不定詞は未来、動名詞は過去・今のイメージだよね!
でもこの記事では、「目的語に不定詞と動名詞どちらがくるか」が知りたかったんやけど…
あ、もしかして…
未来に関係する動詞のあとには不定詞がきて、過去に関係する動詞のあとには動名詞が目的語としてくるとか?
なかなかするどいね〜。
例外もあるんだけど、その考え方がコツなんだよ!
このあと丁寧に説明するね〜
不定詞を目的語にとる動詞 26個
さっそく「不定詞を目的語にとる動詞」をみていきましょう!
不定詞になっている動詞が「未来にすること(するかもしれないこと)」を表現しているかに注目するのが習得のコツです。
動詞を見つけたいならココ!
目的語に不定詞をとる動詞
⇓ クリックして早調べ ⇓
① 願望を表す系
- want to do
〜したい - hope to do
〜したいと望む - wish to do
〜することを願う - desire to do
〜することを強く願う - expect to do
〜することを予期・期待している
② 決心や意図を表す系
- intend to do
〜するつもり(意図)である - decide to do
〜することを決心する - agree to do
〜することに同意する - promise to do
〜することを約束する - plan to do
〜する予定である
③ 拒否を表す系
- refuse to do
〜することをきっぱり断る - decline to do
〜を丁寧にお断りする - reject to do
〜することを却下・拒絶する
④ 努力や挑戦を表す系
- try to do
〜してみる - attempt to do
〜することを試みる - learn to do
〜することを学ぶ - mean to do
わざと〜する - pretend to do
〜するふりをする - manage to do
なんとか〜する
⑤ 変化・結果を表す系
- come to do
〜するようになる - get to do
〜する機会を得る - happen to do
偶然〜する - fail to do
〜しそこなう・するのに失敗する
⑥ 印象や推量を表す系
- seem to do
〜するようだ・らしい - appear to do
〜するように見える
⑦ その他
① 願望を表す系
want to do / 〜したい
I want to go to Mars someday.
いつか火星に行ってみたいです。
hope to do / 〜したいと望む
They hope to win the game.
彼らは試合に勝ちたいと望んでいる。
wish to do / 〜することを願う
I wish to become a super model in the future.
私は将来スーパーモデルになりたいと願っている。
desire to do / 〜することを強く願う
She desires to learn more about art.
彼女は芸術についてもっと学びたいと強く願っている。
expect to do / 〜することを予期・期待している
We are planning to go to USJ this weekend.
私達は今週末にUSJに行くことを計画している。
② 決心や意図を表す系
intend to do / 〜するつもり(意図)である
I intended to go to bed early today.
今日は早く寝るつもりでした。
decide to do / 〜することを決心する
She decided to change her job.
彼女は転職することを決めた。
agree to do / 〜することに同意する
They agreed to help clean up the park on next Sunday.
彼らは次の日曜日に公園の掃除を手伝うことに同意しました。
promise to do / 〜することを約束する
He promised to help me with my homework.
彼は宿題を手伝ってくれると約束してくれた。
plan to do / 〜する予定である
We are planning to go to USJ this weekend.
私達は今週末にUSJに行くことを計画している。
③ 拒否を表す系
refuse to do / 〜することをきっぱり断る
He refuses to eat broccoli.
彼はブロッコリーを食べるのをきっぱり拒否している。
decline to do / 〜を丁寧にお断りする
She politely declined to sing at karaoke.
彼女はカラオケで歌うことを丁重に断った。
reject to do / 〜することを却下・拒絶する
The coach rejected to make me the team’s mascot girl.
コーチは私をチームのマスコットガールにすることを拒否しました。
④ 努力や挑戦を表す系
try to do / 〜してみる
he is trying to eat spaghetti with his nose.
彼は鼻でスパゲティを食べようとしている。
attempt to do / 〜することを試みる
She attempts to eat all kinds of cookies in the can.
彼女は缶の中にある全種類のクッキーを食べようとしています。
learn to do / 〜することを学ぶ
He is learning to be a spy agent.
彼はスパイエージェントになる方法を学んでいます。
mean to do / わざと〜する
I didn’t mean to eat your snack!
君のお菓子を食べるつもりじゃなかったんだ!
pretend to do / 〜するふりをする
He pretends to remember the woman.
彼はその女性を覚えているふりをしている。
manage to do / なんとか〜する
She managed to finish the extremely spicy ramen.
彼女はなんとか激辛ラーメンを完食した。
mean、pretend、manageについては「未来」っぽくはないよね〜。
でも、不定詞が意味している動作に向かって、気持ちが向いている、つまり矢印が出ているというニュアンスで関連付けよう!
⑤ 変化・結果を表す系
come to do / 〜するようになる
I’ve come to love natto.
納豆が大好きになりました。
get to do / 〜する機会を得る
I got to eat sushi for the first time, and it was amazing!
初めて寿司を食べる機会があったんだけど、最高に美味しかった!
happen to do / 偶然〜する
I happened to find my missing sock in my bag.
行方不明だった靴下をバッグの中に偶然見つけた。
fail to do / 〜しそこなう・するのに失敗する
I failed to shake hands with my favorite idol.
推しのアイドルと握手しそこねた。
⑥ 印象や推量を表す系
seem to do / 〜するようだ・らしい
He seems to know a lot about dinosaurs.
彼は恐竜についてたくさん知っているみたい。
appear to do / 〜するように見える
The dog appears to understand how I feel.
その犬は私の気持ちがわかるみたいに見える。
seem、appearも「未来」っぽくはないね。
でも、不定詞が意味している動作は、「それっぽい」という感じがするだけで決定事項ではないよね。
「かもしれない=未来まで事実確認は保留」のようなニュアンスで関連付けよう!
⑦ その他
afford to do / 〜する余裕がある
He can’t afford to buy “CoroCoro Comic”.
彼は「コロコロコミック」を買う余裕がない。
afford は例外として覚えたほうがよいかなぁ〜。
でも、すっごく重要単語だから、まっ先に覚えちゃうといいかも!
よく見かける例文は、「車を買う余裕がある」というもの。
↓
He can afford to buy a car.
動名詞を目的語にとる動詞 17個
次に、「動名詞を目的語にとる動詞」を紹介します。
動名詞になっている動詞が「過去 / 過去から今 / 今にすでにしていること(決まっていること)」を表現しているかに注目するのが習得のコツです!
動詞を見つけたいならココ!
目的語に動名詞をとる動詞
⇓ クリックして早調べ ⇓
① やめる系
- stop doing
~することを止める - quit doing
~することを止める - finish doing
〜することを終える - give up doing
~することを諦める
② 避ける・逃す系
- avoid doing
~することを避ける - escape doing
〜することから逃れる - miss doing
〜する機会を逃す(のがす)
③ 延期する系
- put off doing
〜するのを延期する - postpone doing
〜するのを延期する
④ 否定・認める系
- deny doing
~していること(であること)を否定する - admit doing
~していること(であること)を認める
⑤ 継続中・反復中の動作を表す系
- consider doing
~することを熟考する - imagine doing
~することを想像する - mind doing
~することを気にする, 迷惑がる - appreciate doing
〜することに感謝する - practice doing
~する練習をする
⑥ その他
- suggest doing
〜することを提案する
① やめる系
stop doing / 〜することを止める
She stopped talking when the teacher entered the room.
先生が教室に入ると、彼女は話すのをやめました。
quit doing / 〜することを止める
They quit working late every day.
彼らは毎日遅くまで働くのをやめました。
finish doing / 〜することを終える
We finished cleaning the room before dinner.
私たちは夕食前に部屋の掃除を終えました。
give up doing / 〜することを諦める
He gave up trying to solve the puzzle.
彼はそのパズルを解くことを諦めました。
② 避ける・逃す系
avoid doing / 〜することを避ける
I avoid eating too much candy.
私はお菓子を食べ過ぎないようにしています。
escape doing / 〜することから逃れる
He escaped doing homework by pretending to be asleep.
彼は寝たふりをして宿題をするのを逃れました。
miss doing / 〜する機会を逃す
She missed meeting her favorite singer by just a few minutes.
彼女はほんの数分差で好きな歌手に会い損ねました。
avoid、escape、miss は、「すでにしていること」についての動作ではないね。
でも、未来の話というよりも、「今、まさに受け入れる可能性があったもの」に対して、避けたり逃したりする…というニュアンスで覚えるといいかも!
③ 延期する系
put off doing / 〜するのを延期する
They put off cleaning the house until the weekend.
彼らは週末まで家の掃除を延期しました。
postpone doing / 〜するのを延期する
The team postponed practicing due to the rain.
チームは雨のため練習を延期しました。
put off、postpone は、「すでに決定していること」についての動作。
過去から今にかけて、すでに決まっていたことを延期する…というニュアンスだね。
④ 否定・認める系
deny doing / 〜している(である)ことを否定する
He denied breaking the window.
彼は窓を壊したことを否定しました。
admit doing / 〜している(である)ことを認める
She admitted stealing a cookie from the jar.
彼女はビンからクッキーを盗んだことを認めました。
deny、admit は、「過去から今まで」に誰かが思ったり疑ったことがある事柄について、否定したり事実だと認める動作だね。
⑤ 継続中・反復中の動作を表す系
consider doing / 〜することを熟考する
She considered going abroad for her studies.
彼女は留学することを検討しました。
imagine doing / 〜することを想像する
He imagined flying like a superhero.
彼はスーパーヒーローのように飛ぶことを想像しました。
mind doing / することを気にする、迷惑がる
She doesn’t mind helping her friends with homework.
彼女は友達の宿題を手伝うのを嫌がりません。
appreciate doing / 〜することに感謝する
I appreciate you taking the time to help me.
私のために時間を割いて手伝ってくれてありがとう。
(あれ?これはSVOOですね。SVOよりこの形で使われるのかも。)
practice doing / ~する練習をする
I practice skipping every day.
私は毎日、スキップの練習している。
ここで紹介した consider、imagine、mind、appreciate、practice は、ここまで紹介した動詞とは少し違うタイプだね。
どれも、「今まさにやっている最中!感じている最中!」というニュアンスがあるから、「今」関する動詞として覚えるといいかも。
⑥ その他
suggest doing / 〜することを提案する
He suggested going to the park after lunch.
彼は昼食の後、公園に行くことを提案しました。
suggest は、「未来」を意識した動詞だね〜。
例外として覚えよう!
【ちょっと例外!注意すべき動詞】
不定詞は「未来にこれからすること」を意識している動詞と相性が良く、動名詞は「過去や今していること」に関連する動詞と相性が良いことを説明しました。
でも…、imagine (想像する)、suggest (提案する)などは、未来を意識している動詞ですよね。
こういう例外は、語呂合わせや問題をたくさん解くことで慣れちゃいましょう!
imagine doing、suggest doing
ブツブツ
語呂合わせも活用しよう!
「目的語に動名詞をとる動詞 」を語呂合わせで覚える方法は、WebサイトやYouTube動画でもたくさん紹介されています。
入試対策としては不十分かもしれませんが、語彙力に自信がない人のファーストステップとしてはオススメの学習方法です!
オススメの語呂合わせは
こちらの記事で紹介しています!
この記事では、「目的語に不定詞をとる動詞」についての語呂合わせは紹介していないよ。
まとめ
記事を書いて気がついたのですが、目的語に不定詞をとるか動名詞をとるか、使い分けを抑えておきたい動詞は相当たくさんありますね!
このボリュームだからこそ、暗記だけに頼らず「動詞の性格」から判断できるようになりたいものです。
そこから何度も練習問題を解いたり例文に触れているうちに、当然のように感覚で使い分けができるようになると思います。
(「want to do」なんかは、すでに当然のように使っているのではないでしょうか。)
一度には無理でも、たびたびこの記事に戻ってきていただき、コツをつかんでいただければと思います!